ご挨拶

日本描画テスト・描画療法学会会員のみなさま，このたび第33回大会を北陸・金沢で開催させていただくことになりました。金沢での開催は，1997年の第7回大会以来となります。石川県を含めた北陸地方の会員数は決して多くはありません。今大会を機に描画テスト・描画療法の魅力を地元の心理職や関連職種の方々に知ってもらい，描画テスト・描画療法について学ぶ機会を共有できれば幸いです。

そういう気持ちを込めて，大会のテーマは「描画テスト・描画療法との出会い」としました。出会いとは，我々支援する側が描画という方法を新たに知るということや，臨床活動の中で描画の力に改めて気づくということでもあります。また，クライエントと描画との出会いを生むことや，その瞬間を見守ることでもあります。全国から参加者のみなさまをお迎えし，地元からの参加者も交えたさまざまな学術的出会いや交流も期待しています。

シンポジウムのテーマも「描画テスト・描画療法との出会い」としました。経験豊かなお二人の臨床家による話題提供とディスカッションが，参加者のみなさまの新たな描画との「出会い」につながればと思います。

特別講演は，石川県を拠点に活動されている九谷焼作家の柴田有希佳先生をお招きします。先生の作品やその制作過程の紹介はもちろんですが，九谷焼の魅力についてもお話しいただく予定です。

2024年1月1日の能登半島地震では石川県の能登地区に甚大な被害が出ました。現地では未だ避難所生活やライフラインの復旧作業が続いている状況で，みなさまにもご心配いただいたことと思います。今大会の会場がある金沢市も一部の地域では被害が出ましたが，会場の金沢歌劇座は被害もなく，みなさまをお迎えできる環境にあります。予定どおり第33回大会を開催いたしますので，ぜひ金沢の地へお運びください。

日本描画テスト・描画療法学会第33回大会
大会会長　大矢寿美子